レゴランドはなぜ「名古屋港」にあるのか? 320億円の投資が向かった“意外な立地”とは

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年間乗車人員は約27.6万人から153.2万人へ。物流の終点だった名古屋港・金城ふ頭は、いまや人を呼び込む目的地へと姿を変えた。1億5,000万tを扱う港の基盤は、なぜ観光と交流の拠点へ転じたのか。

工業地帯に人流を呼び込む試み

名古屋港・金城ふ頭の再開発。
名古屋港・金城ふ頭の再開発。

 金城ふ頭の開発は、都市の中心で進む再開発とは少し性格が違う。港の機能を組み替えたことで生まれた土地であり、周囲には物流拠点や工業地帯が隣り合う。都心からの距離もあり、繁華街や観光地の延長として人が流れ込む場所ではない。

 東京や大阪を見れば、都心から海に向かって住宅地や商業地が比較的途切れずに続く。東京では銀座や築地から湾岸部へ開発が広がり、大阪でも難波から天保山の方向へ街並みがつながっている。一方、名古屋では金山や熱田を過ぎて南へ向かうと、港区や南区を中心に工業地帯と物流拠点が広がる。都心の街並みがそのまま海まで連なる形にはなっていない。この断絶を、高速道路や鉄道といった交通網でつなぎ、新たな目的地を生み出している。

 こうした条件のもとで、金城ふ頭は名古屋のなかでもやや特異な位置づけを持つ場所になっている。ポートメッセなごややリニア・鉄道館、レゴランドの整備は、その象徴といえる。物流と工業の中心にありながら、人が集まる場をどう成立させるか。見た目は東京や大阪のウォーターフロント開発に近い。ただ実態は、工業地帯という物理的な隔たりを交通でまたぎ、拠点に機能を集めるやり方に特徴がある。

 効率を重んじる物流の集積地を、楽しさを目的とした移動の行き先へと変えていく。その試みが、この場所で続いているのだ。

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