京都市バスが踏み込む“二重運賃”の聖域――「毎日通うのに400円なのか」 市外通勤者を観光客と同列に扱う“差別”的格差とは
京都市は2027年度、市バスで市民優先運賃を導入し、観光客向け料金を最大2倍に引き上げる。人手不足と物価高に直面する交通事業者に収益改善の道を示す一方、市外通勤者を含む柔軟な仕組みが成否を左右する。
市民の懸念

この仕組みに対し、京都市には一般市民から意見が寄せられている。市民と観光客の運賃に差をつける方針には賛成するものの、ICカードやマイナンバーカードは取得せず、現金230円を運賃箱に入れる方法で市民と識別してほしい、という内容だ。
市はこれに対し、全国初の試みとして円滑な識別の仕組みを検討中であると答えた。現場で人の目による確認を行うと、乗降に時間がかかり、ダイヤの乱れを招く。デジタル技術による自動判別は、運行効率を落とさないために欠かせない。
また、市外から通勤や通学で利用する層からは、運賃の格差が
「差別」
に当たるのではないかとの指摘もある。2025年4月に寄せられた意見は、行政区分と実際の生活圏が一致していないことを示している。仕事や学びのため毎日市内に通う人々を、一時的な観光客と同じ枠に入れることは、地域の労働力を確保する上で支障となる。高い運賃を避けて自家用車での移動が増えれば、街の混雑が悪化し、バスの運行自体にも影響が及ぶ。
市は周辺自治体から通う利用者を課題として検討し、実態に即した負担のあり方を模索している。