「あなたの車も狙われる?」 わずか1.6万円で監視される恐怖──タイヤ空気圧センサーが“発信機”と化す現実とは

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車両のタイヤ空気圧センサーが発信する暗号化されない信号により、2万台以上の車両から600万件の行動データが安価な受信機で取得可能。利便性向上がプライバシーリスクを拡大する現状を浮き彫りにした。

暗号化されない固有ID

タイヤ(画像:Pexels)
タイヤ(画像:Pexels)

 研究チームは10週間にわたり、2万台以上の車両に搭載されたタイヤ空気圧センサーから送信される600万件を超える無線信号を収集・分析。この膨大なデータは、普及している技術が抱えるプライバシー上のリスクを浮き彫りにした。各センサーは暗号化されていない固有の識別番号を送信しており、車両の特定が可能で、悪意ある者による追跡も容易になっている。

 こうした状況が放置されてきた背景には、

・部品コストの抑制
・電池寿命の維持

を優先する供給網の力学がある。高度な情報保護処理を導入すれば、製造費用は上昇し、電力消費も増える。このため、安全機能の確保に比べ、通信の秘匿性は後回しにされてきた。

 リスクの検証では、研究チームが道路や駐車場の近くに、1台あたり

「100ドル(約1万6000円)」

という安価な無線受信機を設置した。攻撃にかかる費用が極めて低く、情報を盗む側の効率は格段に高まる。IMDEAの研究者、ドメニコ・ジュスティニアーノ氏は

「これは、安価な無線受信機のネットワークが、現実世界の環境における車両の移動パターンを静かに監視できることを意味します。こうした情報は仕事への到着時間や移動習慣といった日常生活の行動パターンを明らかにする可能性があります」

とプレスリリースで指摘する。安価な受信機だけで、実社会の車両の動きを監視できるのである。

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