「打倒Suicaの最終兵器?」 JR東海が20年目の決断、なぜ“自前主義”を捨ててICOCAに乗るのか

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2006年開始のTOICAが、2026年3月17日に転機を迎える。自前開発を捨て、3年の運用実績を持つモバイルICOCA基盤を採用。20年の遅れを挽回できるか。交通IC勢力図がいま塗り替わろうとしている。

20年で大きく変化した背景

自動改札機(画像:写真AC)
自動改札機(画像:写真AC)

 TOICAが始まったのは2006(平成18)年11月だ。今から20年前になる。JR東日本がSuicaを導入したのは2001年。その5年後のことだ。

 当時は交通系ICカードの全国相互利用はまだなく、それぞれが自分の地域で完結する存在だった。JRグループに限らず、FeliCaを使った決済カードが各地で広がっていった。静岡市では、静岡鉄道が発行するLuLuCaが2006年3月に始まっている。TOICAより半年早い。

 静岡市内でTOICAとLuLuCaが並び立っていた状況は、振り返れば自然な棲み分けだった。市内の移動は静岡鉄道が軸にあり、JR静岡駅から列車に乗るのは少し遠くへ出るときだ。日々の買い物や通勤はLuLuCaで足りる。市外へ向かうときにTOICAを使う。そうした使い分けが定着していた。

 流れが変わったのは2010年代、主要10カードの全国相互利用が始まってからだ。それまでLuLuCaだけに対応していた路線にも、全国で使えるカードを受け入れてほしいという声が届くようになった。要望といえば穏やかだが、事業者にとっては無視できない圧力でもあった。

 その結果、全国共通カードとLuLuCaのあいだで、どちらが日常の軸になるのかという競争が生まれる。同時に、TOICAも広域カードと正面から向き合うことになった。静岡市はJR東日本のエリアではない。それでも、オンラインでチャージできるモバイルSuicaを選ぶ人は増えた。広い利用網を持つカードが地域の境界を越え、存在感を強めていく。そうした動きのなかで、地元発のカードは次第に影が薄くなっていった。

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