「ガラパゴスの壁」を壊すのは“BYDラッコ”か?――ヤナセの看板と「300km」の航続距離、新興ブランドが飛び越える信頼の溝とは
世界で430万台、前年比41.3%増。BYDは日本では3742台にとどまるが、2026年に軽EV「RACCO」とヤナセ協業で反攻に出る。航続300km、実質200万円以下を掲げ、市場構造そのものを揺さぶる構えだ。
BYDが仕掛ける日本市場攻略

2024年、世界で約430万台を売り上げた中国の比亜迪(BYD)。前年比41.3%増という伸びで新エネルギー車(NEV)分野の首位に立った。部品から組み立てまでを自社で完結させる垂直統合と、独自開発のブレードバッテリーが製造コストを抑え込む。テスラと並ぶ規模へ駆け上がった。
翻って日本ではどうか。2025年の国内登録台数は3742台。世界販売の約1200分の1にすぎない。2023年の参入以降、累計でも5305台だ。日本の電気自動車(EV)シェアが1%前後で停滞していることもあり、市場を揺さぶるには至っていない。
背景には、新車販売の約4割を軽自動車が占める特異な構造がある。充電インフラの不足、輸入車への心理的な壁。ただし、この数字を不振と見るのは早計だろう。日本独自の法規や顧客の嗜好を読み解く習熟期間――そう捉えるべきだ。世界規模で積み上げた収益があるからこそ、日本専用モデルの開発費を吸収できる。
BYDオートジャパンは2026年を勝負の年と定めた。日本専用の軽EV「RACCO(ラッコ)」とヤナセとの協業を足がかりに、日産やスズキが築いた牙城へ食い込む。