ダイハツ商用EV「314万円は高すぎる?」 認証不正を乗り越えた「257km」という実力――トヨタ連合が仕掛ける普及への包囲網

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国内軽商用EV市場に、ダイハツが初の量産EVを投入した。257km航続距離と急速充電標準装備で、15万台市場の標準を塗り替え、事業コスト削減と物流効率向上を同時に狙う挑戦だ。

市場の標準を作る戦略

ダイハツの軽商用EV戦略。
ダイハツの軽商用EV戦略。

 今後5年の国内市場では、軽商用EVは特別扱いされる存在ではなく、標準的な業務用車両として定着しているだろう。この時期には、ダイハツが示した257kmの航続距離や急速充電の標準化が、業界における最低ラインとして受け入れられ、性能の劣る車両は自然と競争力を失うことになる。

 10年後には、メーカー間の単純な台数競争は落ち着き、車両の運用方法や電力管理など、仕組み全体での競争が中心となっていくと考えられる。

 トヨタやスズキとの連携によって生まれる供給規模は、他社が容易に追随できない保守体制の充実につながる。加えて、電池の寿命が長いことは、中古車価値の安定という形でも利点をもたらす。

 ダイハツにとって初めての軽商用EV投入は、短期的な販売台数の達成では意味を持たない。ここで目指すのは、軽商用EVの理想像を自ら示し、物流インフラの基盤としての地位を確立することだ。将来的に評価されるのは、売上の規模ではなく、自社の仕組みを通じてどれだけの物流とエネルギーが実際に動いたかという、実質的な影響力の大きさだろう。

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