北陸新幹線5.2兆円の岐路! 「8ルート」「直通性」で浮かぶ本質、誰が損し誰が得するのか?
北陸新幹線敦賀以西延伸は、2.1兆円から最大5.2兆円へ膨らむ建設費を背景に、8ルートの再検討へ。JR西日本の経営戦略、地域振興、国費投入の三条件をどう折り合うかが、次世代インフラのあり方を左右する。
8案乱立が映す制度疲労

参考までに8ルート案を整理しておこう。
・小浜・京都ルート:過去に一度決定された経緯があり、今回あらためて俎上に載せられている。
・小浜・亀岡ルート:当初から検討されていた案の一つで、京都駅を通らないことを前提としている。
・米原乗入れルート:既存の東海道新幹線に乗り入れて西へ延伸する構想である。
・米原乗換えルート:東海道新幹線への直通ではなく、米原駅での乗り換えを前提としている。
・湖西新幹線ルート:琵琶湖西岸を通過し、新たに新幹線を建設することを想定している。
・湖西在来線ルート:新幹線を新設せず、既存の湖西線を活用する案を含んでいる。
・舞鶴・京都ルート:舞鶴を経由して京都に至る構想で、京都駅を通過することが前提となる。
・舞鶴・亀岡ルート:舞鶴を経由しつつ亀岡へ向かう案で、京都駅は経由しない。
自民党と日本維新の会の整備委員会が8ルート案で再検討を決定した背景には、
・財政制約や物価高騰
・沿線自治体の利害の不一致
・JR西日本の経営体力
という三重の制約が存在する。本稿では、ルート論争を地理や感情ではなく、
・事業主体(JR西日本)の収益構造
・路線ネットワークの最適化
という経済合理性から整理する。ちなみに12月19日の読売新聞によると、JR西日本の倉坂昇治社長が18日の会見で
「お客様の利便性やこれまでの利用の状況を踏まえると、鉄道事業者としては小浜・京都ルートが望ましいと考えている」
と強調し、従来通りの意向を示したことを報じている。