低価格EVで中国勢に挑む欧州勢! 「ルノー×フォード提携」は勝利の切り札か? 次に軍門に下るのは誰なのか
欧州EV市場で価格競争が激化するなか、ルノーとフォードが共同開発を発表した。低価格EVの投入と工場稼働率向上を狙い、アンペアプラットフォームを活用する戦略は、中国勢の台頭を背景に市場構造を変える可能性を示す。
定まらない規制と充電インフラの遅延

欧州連合(EU)が掲げる2035年のエンジン車新車販売禁止に対し、規制緩和を求める声が上がっている。EUは近く新たな方針を示す見通しだが、方針が定まらないことで、メーカー各社はEVとエンジン車への資金配分を長期的に計画しにくい状況にある。
さらに、充電インフラ整備の進捗が遅れていることから、各国のEV需要予測には大きな乖離が生じつつある。国境を跨ぐサプライチェーンでは、CO2関連規制や適合要件が部材コストの上昇や変動を引き起こし、価格設定の柔軟性を制約している。こうしたコスト圧力は、製品投入戦略や販売計画にも影響を及ぼす。
フォードは欧州部門の縮小と生産能力過剰の是正を進めており、2023年に3800人、2024年には追加で4000人の削減を2027年末までに実施する計画だ。対象は主にドイツや英国の工場で、欧州における供給過剰の解消が進む。北米中心の収益偏重が極端化するなか、欧州での固定費負担が重荷となっていたことも、提携を後押しする要因となった。
このようなコストと規制の不確実性があるなかでの提携は、両社にとってリスク分散と資源の最適活用を同時に進める手段となる。開発ラインや資材調達の統合によって、変動コストの影響を抑えながら市場に対応する柔軟性を確保できる点も重要だ。