韓国に惨敗! 交通行政の限界が生んだ「1万台の差」――日本の横断歩道は本当に安全か

キーワード :
,
大阪・守口市に日本初の「埋込型信号」が登場した。横断歩道に埋め込まれたLEDは、高齢者や子どもなど交通弱者の視線に入りやすく、薄暮時や視界不良でも安全性を高める。韓国では導入で事故率13%減、スクールゾーンでは24%低減の実績もある。

横断歩道の視認性向上

横断歩道を照らす埋込型信号の様子(画像:アトラス埋込型信号機)
横断歩道を照らす埋込型信号の様子(画像:アトラス埋込型信号機)

 次世代インフラとして期待される埋込型信号は、視点が低い歩行者をサポートできる特性を持つ。日本で初めて導入された大枝公園付近では、高齢者や子どもの通行が多く、特に効果の高い事例といえる。

 この道路は休日になると交通量が増える。公園間の歩行者動線と道路が交差する場所にあり、信号機の設置基準を満たさないため、横断歩道には歩行者信号が設置されていない。道路上には通常の信号機があるが、車両はその信号を目安に走行するため、埋込型信号の設置はドライバーに歩道の存在を早期に知らせる役割も担う。

 住宅街の信号のない横断歩道や照明が限られた地域でも、埋込型信号の効果は期待できる。道路に埋め込まれたLEDや照明付きボラードは、横断歩道の存在を光で示すことができ、歩行者が近づくまで気付かない状況や車のヘッドライトで「ひやり」とする場面を減らせる。霧や雨など視界不良の状況でも、安全性向上に寄与する。

 設置には土木工事が必要なためコストは課題となるが、都市インフラとしての価値や地域の交通安全向上への貢献は大きい。初期導入の成功事例が広がれば、全国の住宅街や学校周辺での横断歩道安全策としての普及も見込まれる。都市の交通戦略と連動した展開が期待される領域だ。

 だがここで問うべきは、なぜ日本は韓国に1万3000台もの差をつけられたのかということだ。技術の遅れではない。導入を阻んだのは、既存の信号機という「高さ2.5m以上」の基準に縛られた発想そのものではないか。安全とは、規格を守ることではなく、人間の目線に立ち返ることから始まる。足元に光る信号機は、そのことを静かに問いかけている。

全てのコメントを見る