死亡事故率3.7倍──なぜドライバーは「片手運転」の危険性に気づきにくいのか?

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2024年時点で運転免許保有者は8174万人。スマホ操作や片手運転による交通違反は年間19万件超、死亡事故率は約3.7倍に達し、都市部では事故による社会的・経済的損失も拡大している。

運転免許保有者の実態

片手運転イメージ。
片手運転イメージ。

 2025年5月、警察庁交通局運転免許課が発表した統計によれば、2024年時点での運転免許保有者は8174万2303人に達した。2008年以降、免許保有者は8000万人を超える水準を維持しているが、その内実は変わりつつある。

 都市部と地方での構成や年齢層の差は拡大し、高齢者の割合が増える一方で若年層の免許取得率は頭打ち傾向にある。これが自家用車の保有状況やカーシェアリング、移動サービス利用の動向に波及していることは疑いない。

 その8000万人超の保有者のなかには、当然ながら交通違反を犯す者も含まれる。2025年版の警察白書によると、2024年の交通違反件数は

「426万5582件」

に上った。そのうち道路交通法違反に関わる件数は420万4155件。違反の内訳を見ると、一時不停止が28.3%(117万7924件)、最高速度違反が20.2%(84万7378件)と、外から確認しやすい行為が上位を占めている。

 だが車内で行われる違反も決して少なくない。スマートフォンを手に持ったり、画面を注視したりする行為も交通違反に含まれ、2024年には

「19万6894件」

の取り締まりが行われた。こうした行為は運転者自身のリスクにとどまらず、

・事故による損害
・保険料
・事故対応コスト

など、交通インフラ全体の経済的負担にもつながっていく。運転中のスマホ使用や片手運転は違反であるだけでなく、車両の安全性や社会的コストにも直結する問題だ。

 特に都市部では交通量が増加しており、わずかな注意不足が事故や経済損失に結びつく可能性が高い。したがって免許保有者の行動や運転環境を理解することは、交通政策や保険市場、移動サービスの今後を考える上でも欠かせない視点となる。

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