ホンダ「3強」脱落の衝撃――EV偏重&サプライチェーン脆弱化は、日本車産業に何を突きつけるのか?

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世界販売で前年2位の座を失い、ホンダの下半期は166万台、営業利益は前期比55%減の5500億円と低迷。北米依存と半導体供給網の脆弱性が露呈し、スズキが2位に浮上。グローバル戦略の再構築が迫られる。

EV偏重戦略の脆弱性

インド(画像:Pexels)
インド(画像:Pexels)

 北米、中国、日本、インドの各市場は、生活環境や政治状況の違いにより要求が乖離している。このため、単一商品戦略や車両標準化は成立しにくい。ホンダの強みは乗用車だけでなく

・小型車
・二輪車
・関連エンジン技術
・パワープロダクツ

など多様な技術にあるが、EV化の文脈では十分に生かせていない。どの市場にリソースを傾けるべきかの明確な基準がなく、戦略スコープが曖昧になっている。各技術をどうポジショニングし、世界各地に展開するかという戦略が求められる。

 この状況から導かれる戦略的な問いは、

・EV偏重戦略が本当に競争力を高めるのか
・グローバル分散と供給網リスクの最適解はどこにあるのか
・小型車や二輪の強みをどう定義し直して新しい成長軸に転換するか

――である。現状、EV全振り戦略は地政学や制度変動への適応力を欠き、“一本足打法”の脆弱性を拡大させている。複数技術への同時投資能力も失われ、戦略選択肢は狭まった。スズキが堅調な理由は小型車特化にある。ホンダも二輪や小型車で競争優位を定義し直すことが急務である。

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