中国の国有航空機メーカー「COMAC」、今後“中国版ボーイング”になれるのか? 国家戦略で挑むC919と国際認証への道
中国初の国産旅客機C919が商業飛行を開始。政府支援で1200機超の受注を抱える一方、エンジンやアビオニクスは欧米依存。国内優位を背景に国際市場への挑戦が始まる。
国産化の長い道のり

COMACは急速に成長する一方で、製造と技術面で深い制約を抱えている。C919は「国産」とされるが、実態は国際的なサプライチェーンによる製品であり、COMAC自身は組み立てを担う役割が大きい。
航空機の心臓部であるエンジンには米仏合弁のCFMインターナショナル製「LEAP-1C」が搭載されており、アビオニクスはGEアビエーションやハネウェル、降着装置はドイツのリープヘル製など、主要な高性能部品は欧米サプライヤーに依存している。こうした部品供給の不確実性は、地政学的リスクや国際情勢の変化で顕在化する可能性がある。
中国政府はこの課題を認識しており、国産エンジン「CJ-1000A」の開発を加速させている。しかし航空機エンジンの技術水準は極めて高く、量産段階での信頼性確保には時間を要する。生産能力の制約も現実的な課題だ。
ボーイングやエアバスが同クラス機を年間数百機生産するのに対し、COMACの2025年の生産目標は75機にとどまり、9月には25機に下方修正された。量産体制の脆弱さは、企業の成長戦略に影響を及ぼす重要な要素である。
国内市場での強みを活かしつつも、技術の独自化や生産効率の向上は長期的な課題であり、COMACが真に国際競争力を持つためには、国産化の道のりはまだ続くことを示している。