エルグランド復活は「アルヴェル一強」の終焉か? 16年ぶり再始動、日産が仕掛ける“高級ミニバン経済圏”の再編劇
トヨタが9割を占める高級ミニバン市場に、日産が16年ぶりの新型エルグランドで再参入する。600万~900万円級の電動旗艦として、停滞した市場に「第二の基準軸」を打ち込めるかが焦点だ。
空白が問い直す“ミニバンの意味”

日産が約16年ぶりにエルグランドを全面刷新する。ジャパンモビリティショー2025で公開された次期モデルは、2026年夏の発売を予定している。かつて国産高級ミニバン市場をけん引したエルグランドだが、2000年代半ば以降はアルファード/ヴェルファイアの台頭によって存在感を失い、市場構造もトヨタが独占する形で固定化された。残価設定型ローンの普及や販売網の差が決定打となり、購買層まで含めたエコシステムがトヨタ側に集中したためだ。
今回の新型エルグランドは、停滞した勢力図に揺さぶりをかける試みとして位置づけられるだろう。市場の前提条件そのものを問い直せるのかどうかが焦点になる。
高級ミニバンは今や大人数が乗れるクルマという枠を超え、
「移動時間そのものをどう意味づけるか」
という価値競争へ移行している。もはや広さや装備の比較だけでは勝負が決まらない領域に入った。今回の日産の挑戦は、この市場を再び多極化させられるのかという問いに直結するのである。