エルグランド復活は「アルヴェル一強」の終焉か? 16年ぶり再始動、日産が仕掛ける“高級ミニバン経済圏”の再編劇

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トヨタが9割を占める高級ミニバン市場に、日産が16年ぶりの新型エルグランドで再参入する。600万~900万円級の電動旗艦として、停滞した市場に「第二の基準軸」を打ち込めるかが焦点だ。

富裕層市場の“第二の戦場”

 新型エルグランドの海外市場における主戦場は、中国、東南アジア、中東といった高級ミニバン需要が拡大する地域になる。これらの市場では、高級セダンよりもドライバー付きで乗車する「ショーファーカー」としての価値が重視される点が特徴だ。

 すでにトヨタ・アルヴェルが中東市場で先行し、一定のブランドポジションを確立しているのに対し、日産は後発として参入するリスクを抱える。ただし、新型エルグランドが国産高級ミニバンとして持つブランドポテンシャルは不十分ながらも存在し、適切な市場戦略次第では競合優位を一部確保できる余地もある。

 課題となるのは、

・生産体制
・コスト構造

だ。現状では国内生産・右ハンドル圏を前提とした輸出モデルであり、物流コストや仕様変更コストを吸収しづらい。グローバル展開を本格化させるには、海外生産の可否、左ハンドル仕様の投入、販売網構築といったジャストインタイム型ではない長期的投資が不可避となる。

 新型エルグランドが「国内需要 + 限定的輸出モデル」に留まるのか、それとも日産のグローバル高級ミニバン戦略をけん引する存在になり得るのか。その分岐点は、国内向け商品企画とは別軸での市場・生産戦略を設計できるかどうかにある。

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