もしBYDが「イオンモール」で本格販売されたらどうなる? 「手頃なEV」というリアル体験、日本の潜在需要を呼び覚ますのか
					2025年、日本のEV普及率はわずか2.8%。生活圏での体験機会不足が課題のなか、イオンでのBYD展示報道は誤報に終わったものの、消費者の潜在的関心と購買心理を鮮明化。日常動線で触れるEVが、購入ハードルや市場構造の変化を促す可能性が注目される。				
				
				構造的変化の予兆

10月21日、朝日新聞が報じた「イオン、中国EVのセールへ BYD車を実質で200万円前後から」というニュースは瞬く間に話題となり、価格破壊や販売の革新を想起させる印象を与えた。
報道直後のネット上では、多くの人がもしイオンとBYDが本当に提携したら面白いと自然に想像していた。コメントには、補助金や価格の手頃さを歓迎する声だけでなく、バッテリー寿命や耐久性、充電インフラの未整備への不安も多く見られた。
・集合住宅や駐車場の充電設備が整っていない現状では購入が難しい
・バッテリー交換や修理費が高額で心配
といった具体的な指摘もあり、中国製電気自動車(EV)の安全性や過去の故障事例への懸念を示す投稿も散見された。一方で、
・短距離利用なら手が届く選択肢になるかもしれない
と前向きに評価する声もあり、潜在的な関心の高さがうかがえた。
その後、22日にはイオン側が情報提供に誤りがあったと訂正し、23日にはBYDジャパンも常設販売拠点の設置を否定した。実際には「BYD 電気自動車 イオン特別プラン」として正規ディーラーによる販売と充電スタイルやWAON POINT特典を組み合わせた予約販売会(11月1〜10日)が予定されており、この報道をきっかけに
「消費者の生活圏でのEV接触への関心」
が浮き彫りになった。価格や補助金、充電環境、安全性、アフターサービスなど、複数の観点を踏まえて多くの人が現実的に何が可能かを議論したことは、日本市場でEVが受け入れられる仕組みや心理構造が変わりつつあることを示す予兆といえる。