矛盾だらけ? 高市首相「COP30欠席」で揺れるEV戦略――日本の自動車産業“地盤沈下”は始まるのか
高市早苗首相のCOP30欠席が決まった。EV世界市場で中国が64%を占めるなか、日本の普及率はわずか2.8%。国内優先の短期政策が国際交渉力と自動車産業の競争力を危うくする可能性が浮き彫りとなった。
国内政策との対比
高市政権の政策課題として掲げられているのは、物価高対策、給付金付き減税、そして燃料税の調整である。臨時国会で補正予算が成立すれば、国内経済の安定には一定の効果をもたらすだろう。しかし、短期的な景気対策が長期的な国際競争力を損なうリスクもある。
ガソリン減税は消費者や運送業界には直接的な支援となる。暫定税率が廃止されれば、ガソリン価格は1Lあたり約25円下がる見込みだ。暫定税率25.1円分に加え、消費税の課税対象も減るため、一般家庭では年間7000~9700円程度の負担軽減が見込まれている。
物流業においては、燃料費が総コストの約2割を占める。価格下落は経費削減につながり、運賃の引き下げ効果も期待できる。ただし、暫定税率を廃止した場合、国で約1兆円、地方で約5000億円の税収減が見込まれる。財政への影響は小さくない。
問題は、こうした政策が
「短期的な視点」
で設計されている点だ。長期的な産業構造の変化や技術転換を見据えた議論が欠けている。特に、ガソリン減税はEVへの関心を確実に冷ます要因となる。ガソリン車や中古エンジン車で十分という空気が広がれば、国内自動車産業全体の競争力はさらに低下する恐れがある。
景気対策の名目でガソリン依存を強めれば、結果的に技術革新の遅れを招く。国内経済の安定を重視すること自体は理解できるが、国際的な技術競争とのバランスを欠いた政策運営は、長期的な国益に反しかねない。新政権には、産業構造変化を見据えたリスク管理の視点が求められる。