「カッコいい車」の時代は終焉か? 技術の日産が挑む、価値観変化の先にある新しい「やっちゃえ NISSAN」像【リレー連載】頑張っちゃえ NISSAN(5)

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日産は米中販売不振で上半期営業利益が前年同期比90%減、2025年3月期には約6708億円の赤字を計上。技術力と挑戦精神を土台に、EV戦略や組織改革で再生を目指す挑戦が始まった。

求められる企業文化改革

日産で自分らしいキャリアを歩む社員たち(画像:日産自動車)
日産で自分らしいキャリアを歩む社員たち(画像:日産自動車)

「やっちゃえ NISSAN」のキャッチコピーは現在もCMで使用されている。しかし、スローガンだけが先行し、かつての技術力に裏打ちされた説得力は薄れている。クルマの価値観が変化し、技術力だけで業績を伸ばす時代は終わった。今の「やっちゃえ NISSAN」は、

「新しい根拠」

が必要である。その説得力となるのが

・社内風土の変革
・人的資本の確保

である。EV化の進展や新しいモビリティサービスへの対応は、従来注目されなかった分野での人材を必要とした。外部からのキャリア採用によって多様性を確保することは、異業種・異文化の人材を受け入れる企業の柔軟性を試す場ともなっている。

 日産は、多様な人材が自由に意見を交わし、個々のポテンシャルを最大限に発揮できる職場風土の構築に取り組んでいる。具体的には、

・女性管理職比率の向上(グローバルで2024年3月時点約15.9%)
・育児休業からの復職支援
・LGBTQ+への配慮

など、多様性と包括性を高める制度を整えている。また、チームミーティングやプロジェクトでは、異なるバックグラウンドを持つ社員が積極的に意見を出し合い、新しい技術やサービスのアイデアが生まれる場になっている。

 社員教育制度も見直され、全社教育と部門別教育の二本柱でスキル習得を図る。全社員が自由に受講できるe-Learningには外部コンテンツを取り入れ、部門別研修では実務に即した専門性の高い内容を用意。これにより、多様化する自動車開発の現場に対応できる人材を育成するとともに、異なる視点を持つ人材同士が対話できる土壌を整えている。社員が日常的に

「挑戦できる」

と感じる文化の醸成は、技術力を成果として市場に還元するための重要な基盤となる。

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