「カッコいい車」の時代は終焉か? 技術の日産が挑む、価値観変化の先にある新しい「やっちゃえ NISSAN」像【リレー連載】頑張っちゃえ NISSAN(5)
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日産は米中販売不振で上半期営業利益が前年同期比90%減、2025年3月期には約6708億円の赤字を計上。技術力と挑戦精神を土台に、EV戦略や組織改革で再生を目指す挑戦が始まった。
無用の長物化の可能性

では、日産の技術力や挑戦する姿勢は「不要」になったのだろうか?
決してそうではない。基礎体力としての技術力や挑戦姿勢は依然として不可欠である。ただし、保有する技術力を特化させ、挑戦すべき分野を明確に見極めることが必要だ。幅広い技術を持つだけでは競争優位にはつながらず、ユーザーや市場に届く成果をともなうことが求められる。
2024年末に発表されたホンダとの経営統合に向けた基本合意は、わずか2か月で協議が打ち切られ、実現しなかった。VALUENEXによる分析では、両社の過去12年間の国内特許公開情報、約4万5000件を対象に技術差異が検証された。その結果、ホンダはオールマイティーな技術を持つ一方、日産は
「リチウムイオン電池領域」で突出している」
ことがわかった。また、振動制御やギア制御などの車体制御技術でも強みを示している。
こうした強みは、車の使い勝手や乗る人の体験価値に直結する。例えば、車体制御技術を子ども連れの家族向けやドライバーの運転スタイルに応じてチューニングすれば、日常の運転の安心感や楽しさを高めることができる。このように競合との技術差異から生まれる付加価値を形にする取り組みこそ、日産が今後挑戦すべき分野である。
さらに、技術力は社内文化や開発のスピードとも密接に結びつく。挑戦を支える組織や人材の柔軟性があって初めて、特化した技術が市場やブランド価値として機能する。技術力と挑戦姿勢を持つだけでなく、それを生かす仕組みと文化を整えることが、日産の今後の成長のカギとなる。