「鈍い加速」に終止符を!ドライバーを熱狂させる「アクセル応答」カスタマイズ経済圏の台頭

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世界の自動車アフターマーケットは2032年に約7,562億ドル規模へ拡大が予測される。アクセルレスポンス調整を含むパーソナライズ製品が成長を牽引し、メーカーも販売後のソフトウェア更新で運転体験の個別化に対応している。

ソフトで変わる加速感

メーカー公式でアクセルレスポンスを変更できるシステムを展開(画像:トヨタ自動車)
メーカー公式でアクセルレスポンスを変更できるシステムを展開(画像:トヨタ自動車)

 2022年、トヨタ自動車の高性能モデル「GRヤリス」は、ECUプログラムを書き換える形でアクセル応答特性を切り替える機能に対応した。

「GR YARIS PERFORMANCE SOFTWARE 2.0」とその簡易版「GR YARIS PERFORMANCE SOFTWARE 2.0 Lite」では、ソフトウェア適用により最大トルクを370N・mから390N・mに引き上げる設定が用意されている。アクセルレスポンスは「高反応」「標準」「コントロール重視」の三種類から選択可能で、販売後も書き換えで適用できるため、好みに応じて何度でも変更できる点が特徴だ。

 さらに、ソフトウェア書き換えはエンジン制御だけでなく、パワーステアリングのアシスト特性や四輪駆動の前後トルク配分などにも及ぶ。複数の設定を組み合わせることで、多面的に走行フィールを調整できる。メーカーはこの方式を通じて、ハードウェアを交換せずに車両のフィーリングを変化させることが可能であると説明している。

 こうした純正メーカーによるソフトウェア型カスタマイズは、従来の

「購入時に仕様が固定される」

という慣習に対して、消費者体験の個別化・パーソナライズ需要に応える実用的な選択肢になったといえる。

 実際、走行イベントやパーソナライズ商品導入の拡大はユーザー体験価値の向上を目的としており、市場全体でもパーソナライズ・体験価値重視の消費者傾向が認められている。SDV化(Software Defined Vehicle)の流れの一端として、メーカー公式による「販売後の機能進化・体験向上」は今後も加速・多様化が期待されている。

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