「かわいい」だけじゃもう買わない! 女性ドライバーが密かにチェックする“購入ポイント”をご存じか
機能と価値観両立の判断

近年のSUVブームもあり、クルマ選びの基準は多様化している。前述の「2023年度乗用車市場動向調査について」では、「購入したい車への考え方」についても詳細な分析を行った。その結果、「走行時の操作性が高く、運転しやすい車」が94%、「長距離を走行しても疲れが少ない車」が91%と、いずれも9割を超える回答となった。また「多少価格が高くても燃費の良い車」(78%)や「経済性に優れた車」(62%)は、2021年度の調査結果より割合が増加しており、重視される項目として顕著である。
同調査は全国の単身世帯を含む一般世帯を対象に実施されており、自動車保有世帯では直近購入車の主な運転者、非保有世帯では運転免許保有者や家計の中心者が回答している。主運転者に占める女性比率は約5割(49%)であり、ここに示される意見には女性の選好が反映されている。
ハー・ストーリィ(東京都港区)の市場調査によれば、女性の購買選択には商品そのものの特性に注目する「プロダクト志向(機能・品質・デザイン)」と、購入者自身のライフスタイルや価値観に重きを置く「ライフスタイル志向(社会貢献・環境配慮・個人の共感)」という二軸の視点が存在する。これらは、単に見た目や価格に依存せず、利便性、将来的な維持費、日常的な活用の幅、心理的満足度、社会的な位置付けなど、複数の要素を総合的に評価するプロセスを反映している。
そのため女性のクルマ選びは「かわいい」だけで決まるわけではない。運転の快適性や安全性、燃費性能といった機能面に加え、
・生活環境や家族構成
・レジャー利用
・都市部・郊外での走行条件
・社会的な価値観
・個人的な嗜好
といった複数の条件を同時に考慮する傾向が強まっている。この多層的な判断構造は、従来の単純な選好分析では捉えきれず、モビリティ経済の観点からも消費動向の予測に重要な指標となる。
今後の女性ドライバーのクルマ選択においては、見た目のかわいさに加え、利用シーンの幅や機能面の充実、経済的効率性が不可欠な評価軸として機能することになるだろう。