LRTは単なる交通手段ではない? 宇都宮が実証した「地価11%上昇」、経済効果810億円を生む「公共交通指向型開発」の正体

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開業から2年で利用者1000万人を突破した宇都宮LRTは、渋滞解消と沿線地価11%上昇をもたらす「ネットワーク型コンパクトシティ」の中核。公共交通と都市開発を融合させた地方都市の新モデルとして全国の注目を集める。

利用者増で収益急拡大

宇都宮芳賀ライトレール線(画像:宇都宮ライトレール)
宇都宮芳賀ライトレール線(画像:宇都宮ライトレール)

 当初の事業計画では初年度の赤字を見込んでいた。しかし、開業から約半年となる2024年3月期決算で、運行会社の宇都宮ライトレール株式会社は5700万円の当期純利益を計上した。当初計画の1900万円を大きく上回る約3倍の数字である。事業収入全体も計画比1.46倍の7億3900万円に達し、需要の強さを反映した結果となった。

 この好調さは乗客数にも表れている。開業初年度の需要予測では、1日あたりの乗客数は平日約1万2800人、土休日約4400人とされていた。実績では平日が予測通り1万2000人から1万3000人だったのに対し、土休日は9000人から1万3000人と予測の2倍以上に達した。

 累計利用者数も増加の一途をたどり、ペースは加速している。開業1年で600万人、2025年4月10日に800万人、開業2周年を目前にした2025年8月20日には1000万人を突破した。利用者数が100万人増加する日数は、当初の約80日から70日未満に短縮されている。

 利用者調査によると、利用目的の約6割は通勤・通学である。しかし、土休日の利用が好調であることから、買い物やレジャーといった私的利用も大きな割合を占める。この多様な利用者層が、想定を上回る利用者数を支える基盤となっている。

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