救急車が「タクシー」代わりにされている? 無料搬送もはや限界? 過去最高717万件の出動数を考える

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救急車の出動件数は2024年度に過去最高の約717万件に達し、高齢化とともにさらなる増加が予想されている。だが、不適正利用やモラル低下が医療資源の逼迫を招き、救急医療の質と効率が問われている。救急搬送の有料化や先進的な医療MaaSの導入など多様な対策が進む一方で、根本的な解決には至っていない。今こそ、個々が緊急時の対応を見直すことが不可欠だ。

救急車利用有料化の波

救急車(画像:写真AC)
救急車(画像:写真AC)

 2024年度の救急車出動件数は約717万件に達し、過去最高を記録した。総務省消防庁の発表によるもので、前年度比で約8万件の増加となった。今後は高齢化の進展により、さらなる急増が見込まれる。

 一方で、不適正な利用や不要不急の通報も増えている。これにより、重篤患者への迅速な対応が困難になるほか、119番通報から現場到着までの時間が延びる事態が問題化している。

 背景には、自力で医療機関に行けない

「独居高齢世帯の増加」

がある。救急車をタクシー代わりに利用するケースも少なくない。

 こうした状況を受け、緊急性が認められない場合に救急搬送者から「選定療養費」を徴収する病院も増えている。選定療養費とは、保険診療の範囲外で、医療機関の機能分担を目的に患者が追加で負担する費用である。全国的に救急車利用の有料化を模索する動きが強まっている。

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