白物家電を捨て、「鉄道」で世界を獲る日立! タレス買収・「ルマーダ」が切り拓く「2兆円構想」の可能性とは

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白物家電の売却を視野に入れた日立は、鉄道×DXの融合で成長を加速する。2024年度に1.2兆円だった鉄道売上を、2030年度に2兆円へと拡大する構えだ。タレス交通部門の買収を追い風に、欧州を中心に大型案件を獲得。競合が激化する中、自律分散型戦略で持続可能な成長を狙う。

欧州戦略と制御技術の核化

日立製作所のウェブサイト(画像:日立製作所)
日立製作所のウェブサイト(画像:日立製作所)

 インフラとDXを軸とする鉄道事業の収益モデルが転換しつつあり、日立にとって安定的なキャッシュフローの確保が現実味を帯びてきた。各国での展開を通じ、知的財産としてのノウハウを蓄積できれば、制御技術の高度化においても将来的な展望が開ける。

 とくに日本の事例を見ればわかるように、鉄道業界では人件費の高騰が経営課題となっている。自働化・自動化は避けて通れないテーマだ。ビッグデータを活用した故障の予兆検知、リスク予測、最適なエネルギー管理、自動運転を見据えた運行最適化などへの期待も高まる。

 ただし、成長投資とリスク分散を両立するには、複数エリア・複数領域にわたる事業展開が前提となる。カギを握るのは、自律・分散・協調型の事業戦略である。これは日立が中長期的に生き残るための要件でもある。

 実際に、日立はドイツ鉄道(Deutsche Bahn)と主要なフレームワーク契約を締結している。欧州列車制御システムや統合制御運行システム、デジタル連動技術の提供を進めており、こうした実績が他国市場への技術波及のハブとしての役割を果たす可能性もある。ここにおいても自律分散協調型の経営モデルが生きる。

 日立は鉄道インフラ事業で売上高2兆円の達成を目指している。非常にチャレンジングな目標ではあるが、

・タレス社の事業統合を含む外部資源
・自社が培ってきた鉄道インフラとDXに関する内部資源

を融合させる戦略的決断でもある。

 今後の成長を左右するのは、不確実性や競争激化を前提とした継続的な技術革新と柔軟な事業再編である。持続可能な成長軌道に乗れるかどうかは、これら複合要因への対応力次第だ。

 将来的には、鉄道ビジネスの省人化が国際的な標準となる。自動運転化やメンテナンス簡略化も重要なテーマとなる。日立はインフラ×DXをコアコンピタンスに据え、地理的にバランスの取れた展開と自律分散協調型の経営で、持続可能なビジネスを構築することが期待される。

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