白物家電を捨て、「鉄道」で世界を獲る日立! タレス買収・「ルマーダ」が切り拓く「2兆円構想」の可能性とは

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白物家電の売却を視野に入れた日立は、鉄道×DXの融合で成長を加速する。2024年度に1.2兆円だった鉄道売上を、2030年度に2兆円へと拡大する構えだ。タレス交通部門の買収を追い風に、欧州を中心に大型案件を獲得。競合が激化する中、自律分散型戦略で持続可能な成長を狙う。

インフラ制御事業の台頭

アルストムのウェブサイト(画像:アルストム)
アルストムのウェブサイト(画像:アルストム)

 世界の鉄道事業者は、人件費の上昇や将来的な人手不足を見据え、AIを中心とするDXの活用に注目している。特に鉄道インフラの管理分野での関心が高まっている。

 各国の鉄道研究機関でもDX活用は重点テーマとなっており、関連国際会議での発表論文も増加している。鉄道インフラ管理とDXの融合は需要が拡大しており、脱炭素を掲げるSDGsの流れとも一致する。環境政策が鉄道業界にとって追い風となっている構図だ。

 欧州では鉄道のデジタル化に向けた投資が活況を呈しており、日立の受注状況にも変化が表れている。2024年度の実績では、車両部門が売上の43%、信号・制御事業が57%を占める。これは、タレス傘下のGTS買収を通じた外部成長が奏功した結果といえる。

 信号や制御などのインフラ部門が明確に成長を遂げている。日立グループは、インフラ領域とDX領域にまたがる技術や組織体制に強みを持つ。これに加え、過去に実施したABBの送配電事業やグローバルロジックの買収といった大型M&Aの経験も生かされている。外部資源の取り込みと並行して、内部人材の育成も進んでいる。

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