スマホ高齢者は9割超! 「紙の地図」が消える時代、交通アプリ依存が招くデジタル分断の深淵とは
高齢者のスマホ保有率が70代で85%、80代でも66%と急上昇。交通系アプリは移動支援だけでなく、健康や家計管理にも寄与するインフラとなりつつある。一方、操作の難しさやデジタル格差が課題に。今、アプリ開発と地域支援が交差する「高齢社会のモビリティ革新」が始まっている。
サポートが拓くデジタル移行

多くの交通系アプリは、出発地と目的地を入力するだけで経路を検索できる。直感的な操作性が特長だ。
中国では2021年4月、高齢者向けアプリの設計指針「モバイルインターネットアプリ高齢者対応ユニバーサルデザイン規範」を策定。文字サイズを18ポイント以上とし、ポップアップ広告を禁止するなどのルールを定めた。こうした規範は、高齢者の視認性と操作性を高めるうえで重要なガイドラインとなっている。
ただし、画面が見やすく、操作が簡単であっても、スマートフォンに不慣れな高齢者にとってアプリの活用は依然としてハードルが高い。そこで求められるのが、家族や周囲のサポートである。
2024年にMMD研究所が実施した調査では、スマートフォンの契約や操作で他者の支援を受けた高齢者は51.4%に達した。このうち、普段の利用でもサポート経験があると答えたのは40.7%だった。実際に各通信キャリアが展開するスマートフォン教室では、乗換案内アプリの使い方を学ぶ講座が高い人気を集めている。
さらに、高齢者の外出意欲や健康志向もアプリ利用を後押ししている。「楽天シニア」のような歩数計アプリでは、歩数に応じてポイントが貯まる仕組みを導入。日常的な外出を促すインセンティブとして機能している。交通系アプリの利用は、こうした健康管理アプリと連動し、高齢者の活動的なライフスタイルを支える要素となっている。