自動車保険料「平均8.5%」引き上げの衝撃! 東京海上日動が異例の年2回値上げに踏み切った「物価高騰」という現実
2025年10月、東京海上日動火災保険が自動車保険料を平均8.5%引き上げる。1年で2度目の改定で過去最高率を大きく超える。背景には世界的な物価上昇や安全装備の高機能化による修理費の高騰がある。
自動車保険の変革と新戦略

2023年の事故類型別交通事故発生件数の構成率を見ると、1位は「追突」で29.8%、2位は「出会い頭の衝突」で25.3%だった。事故の約6割が大きな車の修理を必要とするもので占められている。安全支援システムの導入により重大事故は減少したが、修理費の増加という厳しい現実は続いている。
これまで損害保険会社の主要な収入源だった自動車保険を取り巻く環境は、大きく変化している。カーシェアリングの普及が急速に進んでいることに加え、度重なる保険料の値上げが自動車保有をますます敬遠させる可能性がある。保険金支払いの増加が車離れを加速させれば、自動車保険制度の崩壊にもつながりかねない。
しかし、状況を嘆くだけでは改善しない。環境の大きな変化は新たなビジネスチャンスを生む可能性も秘めている。例えば、カーシェアリングやレンタカーは個人で加入できる1日自動車保険の対象外だ。ユーザーの不安を解消する新たなサービス展開が求められる。
さらに、カーシェアの進化系として個人間カーシェアも登場している。三井住友海上火災保険は業界初の「カーシェアプラットフォーマー専用自動車保険」を開発・販売。個人間カーシェアアプリ「DriveShare」を運営するCarOwnerClubはこれを活用し、ドラシェア保険の取り扱いを始めた。
もしもの備えとなる自動車保険は重要だが、いかなる理由であれ値上げに納得できないユーザーも存在する。そのため、不満を少しでも和らげる新サービスや付加価値の提供が、今後のカギとなるだろう。