まるで「飛行機の墓場」? 米国の砂漠に数百機が放置される根本理由

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地平線まで飛行機が並ぶ砂漠保管施設は、世界の航空資産を支える重要拠点だ。1機数十億円の設備投資を守りつつ、再稼働可能な資産として維持。コロナ禍の需要激減でも数百機が砂漠で温存され、航空業界の資本効率とサプライチェーンの安定化に貢献している。

航空部品の再利用市場

砂漠(画像:Pexels)
砂漠(画像:Pexels)

「飛行機の墓場」は、航空業界の枠を超えて存在感を高めている。

 取り出された部品は飛行機に再利用されるだけでなく、コレクターが記念品として購入することもある。希少価値の高いモデルのコックピットやジェットエンジンの部品は、コレクター市場で高値で取引されている。

 現在では、珍しい年代物の飛行機も保管されている。そのため、博物館や施設が展示目的で購入するケースも多い。「飛行機の墓場」は飛行機愛好家の観光スポットにもなっている。

 もちろん、全てが再利用されるわけではない。スクラップされる機体も存在する。その際は環境に配慮し、鉄やアルミ、チタンなどの金属や素材をリサイクルし、廃棄物削減に努めている。

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