「顔認証」で車を守れ! 盗難の75%が“キーなし状態” という決定的現実

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自動車業界でも導入が進む顔認証技術。車両盗難の75%が「キーなし」で発生する中、高精度の生体認証が防犯対策として注目を集める。さらにドライバーモニタリングや保険料査定などへの応用も進展。2027年には市場規模2000億円超と予測されるこの技術は、モビリティの未来をどう変えるのか。

便利さと不安の共存技術

ドライバーの運転状態を監視するドライバーモニタリングシステム(画像:フィーチャ)
ドライバーの運転状態を監視するドライバーモニタリングシステム(画像:フィーチャ)

 顔認証システムは、今後さらなる低価格化が進むことで、自動車への搭載が一段と広がる可能性が高い。セキュリティ性と利便性を兼ね備えた技術として、社用車だけでなく一般の個人ドライバーにも普及する素地がある。

 富士キメラ総研が発表した「デジタルID/認証ソリューションビジネス市場調査要覧 2022」によれば、2022年のドライバー認証システム市場は前年比191.9%増の357億円と急成長を遂げた。2027年には2014億円まで拡大する見通しで、市場としてのポテンシャルは大きい。

 一方、アイブリッジ(大阪府大阪市)が2023年に実施した調査では、顔認証の認知率は81.1%。そのうち、利用に抵抗がないと答えた人は56.8%に達した。特に、暗証番号を覚える必要がない点や、高いセキュリティ性能に魅力を感じるという回答が多かった。

 しかしながら、プライバシーに対する懸念も根強い。個人情報のセキュリティや、本来の用途以外にデータが利用されることへの不安を抱く人は43.4%。不安を感じないと答えた23.6%の約2倍に上る。

 顔認証が取得するのは、「いつ」「どこで」「誰が」「何をしたか」という行動ログに直結するセンシティブなデータだ。利便性と引き換えに、個人の自由やプライバシーをどこまで預けるかが、今後の社会的な議論の焦点となる。

 自動車との親和性が高く、安全運転支援にも貢献する顔認証技術。その普及を後押しするには、個人情報の取り扱いに関する明確なルール整備と、ユーザーの「安心感」の醸成が不可欠だ。

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