「顔認証」で車を守れ! 盗難の75%が“キーなし状態” という決定的現実
自動車業界でも導入が進む顔認証技術。車両盗難の75%が「キーなし」で発生する中、高精度の生体認証が防犯対策として注目を集める。さらにドライバーモニタリングや保険料査定などへの応用も進展。2027年には市場規模2000億円超と予測されるこの技術は、モビリティの未来をどう変えるのか。
安全と効率の可視化技術

顔認証技術は、自動車のセキュリティ強化にとどまらず、新たなユーザー体験の創出にもつながる可能性を秘めている。その中核となるのが「ドライバーモニタリング」だ。
すでに一部車種では、顔認証によってドライバーを識別し、シート位置やナビゲーション設定、空調などを自動で最適化するパーソナライズ機能が搭載されている。これに加えて、ドライバーの表情や視線をリアルタイムで把握することで、安全運転を支援する技術開発が進んでいる。
スバルは、一部車種にドライバーモニタリングシステムを実装し、「脇見・居眠り警報」機能を提供。ドライバーが一定時間以上まぶたを閉じたり、視線が大きく前方から逸れた場合に、アラートで注意を促す。
フィーチャ(東京都豊島区)は、顔認証とドライバーモニタリングを組み合わせたソリューションを提供している。運転中の電話や飲食、喫煙といったリスク行動を検知し、事業者による運行管理や安全指導への活用が見込まれている。
こうしたデータは、保険会社による個別の運転スキル評価にもつながる可能性がある。運転行動を可視化することで、ドライバーごとにリスクを評価し、保険料率へ反映させる動きも現実味を帯びてきた。
さらに、トラックドライバーや長距離運転者の健康状態を常時モニタリングできれば、重大事故の未然防止にもつながる。顔認証とモニタリング技術を掛け合わせることで、モビリティと安全、効率を融合した「次世代の運転管理」が始まろうとしている。