高速バス「相席ブロック」なぜ横行? 「安すぎるキャンセル料」が招く悲劇と、1億人を巻き込む迷惑行為の深層
高速バスの年間利用者数は1億人超――安価で利便性の高い移動手段として再注目を集める一方、「相席ブロック」という迷惑行為が業界の健全性を揺るがしている。背景には、キャンセル料100円という“緩さ”と高まる移動需要。規制強化と構造改革が迫られている。
キャンセル料の安さが生む問題構造

相席ブロックが横行する最大の要因は、高速バスの
「キャンセル料の安さ」
にある。多くのバス会社では払い戻し手数料を100円前後に設定しており、当日キャンセルでも金額は変わらない。この格安な取消料が、利用者にとって「負担が軽い」と感じさせる要因になっている。
JRバス関東では、キャンセル料は110円から最大で運賃の50%まで。路線によって異なる。沿岸バスでは、電話予約の取消料は無料、ウェブ予約では210円となっている。ホテルの当日キャンセル料が宿泊料の50~100%であることを考えれば、バスの設定は極めて寛大だ。この背景には、
・1980年代の鉄道間競争の激化
・標準運送約款で普通乗車券の払戻し手数料を「100円以内」と定めた歴史
がある。近年、バス代は上昇しているが、取消料は据え置かれたままだ。その結果、取消料の相対的な比率が低くなり、悪用されやすい構造が生まれている。
こうした課題を受けて、各社が対策を進めている。例えば、西日本鉄道が運行する高速バス「はかた号」では、2024年12月20日からキャンセル料を段階的に引き上げる。従来は当日でも110円だったが、新制度では、11日前~9日前は20%、8日前~2日前は30%、前日以降は50%に設定される。より厳格な料金体系へと改めるかたちだ。これらの取り組みは、他社にとっても有力なモデルケースになるだろう。