「静かすぎる」EVの代償――最新研究が暴いた警報音トラブル、「音の死角」を考える
EVやHVの静音性が安全課題を生む中、スウェーデン・チャルマース工科大学の最新研究が示したのは、複数台のAVAS警報音の識別困難性だ。52人の被験者を用いた実験で、同時発生する警報音の方向特定は極めて難しく、内燃機関車のエンジン音に比べ認識性が劣る実態が明らかとなった。今後は実環境で聞き分けやすい新警報音の開発と早期実用化が急務となっている。
次世代AVAS開発の必要性

実際に機械が生むエンジン音と、スピーカーが鳴らすAVAS音とでは、耳に届く“存在感”が根本的に異なる。これまでの研究は
・検知可能性
・検知距離
に焦点を当ててきたが、2~3台の車両が同じ警報信号を同時に発した場合の影響を調べたのは今回が初めてだ。研究チームは、EVが関与する交通環境で人がどう反応するのかを解明する必要性を強調する。クロップ教授は
「交通安全の観点からいえば、検知と位置特定に可能な限り効果的でありながら、人々に悪影響を与えない警報音を見つけることが望まれています」
と語る。同教授によれば、これは従来の交通騒音研究でも裏づけられている。
現在、チームはAVAS音がどのように認識され、歩行者以外の周辺住民にどんな影響を及ぼすかを調査中だ。実環境で的確に聞き分けられる新しい警報サウンドの早期実用化が待たれる。