かつてのトヨタを彷彿? ベトナム初の自動車メーカー「ビンファスト」が仕掛けるアメリカ本格進出と周到な「手土産」
ベトナム初の自動車メーカー「ビンファスト」。EV車のデメリットのひとつである高価なバッテリーを「リース方式」にして、2025年までに生産台数を現在の2倍である50万台に増加させることを目標にしている。
急成長した理由

資金力がいくらあっても、自動車や二輪車の製造ノウハウが何もないところから、たった5年で急成長できたのはなぜだろうか――。その要因のひとつは、デザインや部品を
「欧米から導入した」
ことだ。
製造ノウハウが全くない状態で、一から自動車を造るのには時間もコストもかかる。そこで、ビンファストは世界の自動車製造ノウハウを導入する作戦に出た。
デザインは、フェラーリなどのデザインを数多く手がけるイタリアのピニンファリーナのほか、
・BMW(ドイツ)
・シーメンス(同)
・ボッシュ(同)
・マグナインターナショナル(カナダ)
などと提携。
既製品をベースにし、自社ブランドの展開はわずか2車種のみにもかかわらず、2017年に突如現れたビンファストは、この5年でヨーロッパやアメリカへも販売を展開していく段階にまで急成長した。
世界の自動車メーカーのノウハウや知的財産権を“購入”していくことで、全く新しいベトナムブランドを作り上げるという、自動車業界の常識を覆した新進気鋭のメーカーなのだ。
また、ビンファストは2022年末にはガソリン車の生産を停止し、EV車の生産のみに切り替える方針だ。世界的なEV化の波が加速する中で、ビンファストの競争力は今後さらに増していくと予想される。
現在、ビンファストは、ベトナム北部のハイフォン市に最先端の自動車工場を有しており、年間25万台を生産している。今後、製造を最大で90%自動化し、2025年までには生産台数を現在の2倍である50万台に増加させることを目標に掲げている。
すでに欧米市場において、「VF8」と「VF9」のスポーツタイプ多目的車(SUV)のEV車の受注をはじめている。