「大災害」デマで香港便が消えた! 徳島・米子空港、SNSが残した地方創生への深すぎる傷跡
地方創生策が仕切り直し

徳島、鳥取両県は人口減少が急速に進み、将来が危ぶまれる厳しい状況に陥っている。両県の推計人口は6月現在で徳島県約68万人、鳥取県約53万人。鳥取県は全国の都道府県で最少、徳島県も少ないほうから4番目に位置する。
円安を背景とした訪日観光ブームからも取り残されてきた。日本政府観光局がまとめた2024年の訪日観光客訪問率は、両県とも0.3%で全国42位。観光庁が集計した2024年の外国人宿泊数は徳島県が全国40位の約1万6000人、鳥取県が最下位の約7200人だ。
訪日客誘致で地方創生の負け組脱却を図るため、米子空港は2016年、徳島空港は2018年から国際定期便が乗り入れを始めた。コロナ禍で一時中断したあと、米子空港は韓国、台湾、香港の3路線、徳島空港は韓国、香港の2路線が就航している。
なかでも徳島空港は2路線とも2024年11~12月に就航したばかり。現地とのパイプを太くして訪日客をより多く受け入れようとしていた矢先だけに、徳島県観光政策課は
「訪日客誘致策が仕切り直しになる」
と対応に苦慮している。
コロナ禍後の訪日客は円安を背景に初来日する人が増えたからか、有名観光地が多い首都圏と関西に集中する傾向が以前より強い。アジアの航空会社はコロナ禍で手放した機材を確保し直し、旅客需要の大きい路線から乗り入れを再開中で、中部国際空港(愛知県常滑市)でさえ路線新設に苦戦している。
しかも、日本の地方空港は東アジア路線が飽和状態といわれる。そんななか、香港や中国は景気が減速し、日本より旅費が安い中国国内観光にシフトしつつある。地方空港が一度失った路線を復活させるには相当な苦労を要しそうだ。
野村総合研究所グループの木内登英エグゼクティブ・エコノミストは5月末、「大災害」予言騒動が沈静化できなければ、
「日本のインバウンド需要を5600億円程度縮小させる可能性がある」
と野村総研のオウンドメディア「&N未来創発ラボ」で指摘した。「大災害」予言が地方に残した傷跡はあまりにも大きい。