「中古車が高くて買えない」 輸出1.5兆円市場の功罪──需給の再設計は可能か？
2023年の中古車輸出が154万台で過去最高を更新。円安や品質評価を追い風に1.5兆円市場へと成長する一方、国内相場や地政学リスクも複雑化。輸出拡大と需給再編が自動車産業全体の構造改革を加速させている。
価格適正化が導く国内外の需給最適化
中古車輸出の好調を背景に、国内外の需要バランスが見直されている。適正な価格設定と品質管理によって、顧客満足度を高める取り組みが広がっている。輸出拡大と品質向上の動きは、持続的な成長への道筋となりつつある。
154万台突破は数量の話ではなく、日本車の価値が世界で再評価され、国内市場でも健全化に向けた構造変化が始まっている。追い風を的確に生かし、リスクを管理しながら品質向上に継続的な投資を行えば、業界は次のステージへ進める。
政府支援の拡充、デジタル化の進展、そして業界全体の意識改革が相まって、日本の中古車輸出は国際市場での存在感を高めている。この変化は自動車産業全体の競争力強化にも直結する重要な動きであり、構造改革が新たな成長基盤を築きつつある。