テスラがフランスで販売「67%減」の衝撃――それでも欧州EV市場全体が伸びる理由とは
値下げと充電網が後押し要因

テスラが売れていないなら、どこのメーカーのEVが売れているのか。答えは、テスラ以外の多くのメーカーが前年より販売台数を伸ばしている。なかでも筆頭はフォルクスワーゲン(VW)グループだ。
VWグループの第1四半期決算によると、2025年の欧州におけるEV納入台数は15万8100台。前年の7万4400台から実に+112.6%という驚異的な伸びを記録した。主なEV車種の販売台数は以下のとおり。
・VW ID.4 / ID.5:4万3700台
・VW ID.3:2万8100台
・Audi Q4 e-tron:2万2800台
・Skoda Enyaq:2万200台
・VW ID.7:1万9100台
IDシリーズのVWや、アウディQ4、シュコダのエンヤクなどが主力となっている。クプラやポルシェを含むグループ全体で、欧州のEV市場を牽引している構図だ。
販売の伸び率では、BMWグループが+64.2%、ルノーも+87.9%と好調を維持している。ちなみに、世界的EVメーカーとされる比亜迪(BYD)は欧州進出が比較的新しい。しかし、それでも前年比+133%(約1.8万台)との報道があり、存在感を強めている。
EV販売好調の背景には、まず値下げ競争がある。2025年に入ってから、EVの平均割引率は3ポイント上昇し16.7%となった。中には最大30%の値引きもあり、平均で828ユーロ(約13万円)の価格下落に相当する。
2024年、EV補助金が廃止された際、専門家の間では「新型EVの投入によって価格競争が激化する」との見方があった。現実はまさにそのとおりになった。
もうひとつの要因は、充電インフラの整備だ。VWのID.3や、ルノーの新型「ルノー5」のようなコンパクトEVでも、充電設備の整備によって冬場の使用にも耐えると認識され始めている。
今後は、大型のスポーツタイプ多目的車(SUV)やセダンだけでなく、コンパクトカーサイズのEVもさらにシェアを伸ばしていくだろう。