テスラがフランスで販売「67%減」の衝撃――それでも欧州EV市場全体が伸びる理由とは
欧州でのテスラ販売が前年比▲46.1%と急落。EV市場は+26.4%と成長を続けるなか、VWは納入台数+112%で台頭。割引競争と充電網整備を追い風に、BMWやBYDも急伸する。テスラは政治リスクと商品戦略の両面で岐路に立たされている。
欧州全域で進む販売急減

テスラのフランスでの5月の販売台数はわずか721台だった。この数字は大きく報じられた。前年同月比で見るとマイナス67%。テスラの失速が際立っている。販売不振はフランスに限らない。電気自動車(EV)先進国とされるスウェーデンでも、Model3は前年比でマイナス80%を記録した。
欧州自動車工業会(ACEA)のデータによると、テスラの欧州連合(EU)域内における1月から4月の新車登録台数は約3万6000台減少。前年比でマイナス46.1%となった。
過去2年の実績と比較してみる。
・2023年:27万9542台(前年比+89.2%)
・2024年:24万2945台(前年比-13.1%)
2023年はEV補助金の後押しもあり、大幅に販売を伸ばした。だが2024年は補助金の終了とともに約1割の減少となった。そして2025年はそれ以上に落ち込んでいる。欧州全体でテスラの販売は低迷を続けている。
テスラは、第1四半期の不振について「Model Yのアップグレード待ち」と説明していた。しかし、今ではそれだけが原因ではないことが明らかだ。
販売不振の背景には、イーロン・マスク氏による右派政党への支持表明など、政治的なスタンスが影響しているとされる。3月には、米国や欧州のテスラ店舗前でマスク氏に対する抗議デモも発生した。こうした動きから、テスラに対する不買運動が本格化していると見てよい。