大阪「京橋」大改造! 1031億円地下化で“開かずの踏切”撤去――昔ながらの下町はどう変わるのか?

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大阪・京橋地区のJR学研都市線(片町線)地下化事業再開が大阪市の有識者会議から認められた。大阪市は2025年度中に正式決定する方針。京橋大改造がいよいよ始まる。

遮断45分が動かした鉄道再編構想

ピーク時で1時間に45分遮断される鯰江踏切(画像:高田泰)
ピーク時で1時間に45分遮断される鯰江踏切(画像:高田泰)

 そんな京橋に変化の波が訪れようとしている。大阪市が5月に開催した建設事業評価有識者会議で、2014(平成26)年から休止していた学研都市線地下化の再開にゴーサインが出たからだ。地下化するのは城東区新喜多から都島区片町までの約1.3km。区間内にある鯰江踏切など三つの踏切を撤去し、地上にある学研都市線のホームを地下へ移す。

 工事は学研都市線を運行しながら、現在の線路の北側地下に新たな線路を整備する。事業費は人件費や資材費の高騰で約1031億円と、2015年の前回評価時より381億円増えた。大阪市は都市計画決定後の2030年度事業認可、2033年度着工、2053年度完成を想定している。

 国土交通省は1時間当たり40分以上遮断機が下りる踏切を「開かずの踏切」と定義しているが、三つの踏切のうち最も東の鯰江踏切はピーク時で1時間当たりの遮断時間が45分に達し、この定義に該当する。馬の口、新喜多の両踏切も遮断時間が39分。ほとんど開かずの踏切といえる。撤去による分断解消効果は大きい。

 地下ホームの位置が北へ移ることにより、京阪本線との乗り換え時間が短縮されるほか、現在のホーム付近に駅前広場を整備すれば、駅前に乗り入れが難しかったバスとスムーズに乗り換えできる。京橋駅の利便性が大きく高まるわけだ。

 大阪市街路課は

「学研都市線地下化は新たな開発に向けたインフラ整備の意味も持つ。分断解消による街の一体化だけでなく、駅機能の強化や地域交通の円滑化に与える影響は大きい」

と期待を込めた。

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