「上から目線がウザい」 自動車ディーラーに女性44%が不満――根強く残る「男社会」と「ローン差別」の実態、海外調査で考える
自動車購入の現場は依然として男性中心で、女性の約半数が「男性向け設計」と感じている。調査では女性の44%が販売店で上から目線の対応を経験し、6割が購入プロセスの不公平を指摘。さらに米国では女性が男性より平均0.6%高いローン金利を課される実態も明らかになった。業界全体で見えにくい構造的な壁を認識し、購買体験の公平化が急務である。
購入後に潜む金利設定の裁量リスク

購入プロセスだけでなく、自動車ローンの金利においても、女性が不利な立場に置かれている実態がある。
2023年10月、サウスカロライナ大学、ウィスコンシン大学マディソン校、シカゴ大学の合同研究チームは「INFORMS Marketing Science」に調査結果を発表した。それによれば、女性やマイノリティは自動車ローンを組む際、より高い返済額を求められる可能性が高いという。
米国では、ディーラーが自動車ローンの金利を基準値より引き上げる裁量を持つ。研究チームは、2004年から2015年にかけて、米国内の自動車ディーラー約20%を無作為に抽出し、取引データを分析した。その結果、ディーラーは女性やマイノリティに対し、男性や非マイノリティよりも統計的に有意に高い金利を設定していた。
具体的には、女性は平均で男性より0.6%高いローン金利を課されていた。
車両価格はオンライン比較の普及によって透明性が高まっている。一方で、ローン金利の仕組みはいまだに不透明なままだ。通常、ローンの金利設定は車両価格の交渉後に行われるため、そこにディーラーの裁量が入り込む余地がある。実際に、少なくないディーラーが女性やマイノリティに対し、不利な条件を提示していた。
こうした構造のなかで、車の購入やローン契約において、女性は見えにくい“ガラスの天井”に直面している。自動車購入が「楽しい体験」となりにくい現実を、業界全体で正しく認識する必要がある。