もはや「郵便」はオワコン? 日本郵便「赤字383億円」の現実――デンマークはもうすぐ事業撤退、今後どうなる?
デンマークが国内郵便事業から撤退を決めた背景には、手紙数の激減と料金高騰がある。日本でも郵便物は2001年の262億通から半減し、赤字が続く。労働集約型の郵便事業の維持は困難を極め、10年後の郵便廃止を見据えた抜本的な議論が求められている。
年間10億通減少が示す市場縮小の現実

郵便事業の経営環境は日本だけでなく、世界各国で厳しい状況にある。ノルドポストによる手紙配達の廃止は決して他人事ではない。
5月中旬に公表された日本郵政の2025年3月期決算資料によると、郵便・物流事業を担う日本郵便(連結)の営業損益は42億円の赤字となった。一見すると赤字幅は小さいように見える。しかし郵便・物流セグメント単独では
「383億円の赤字」
だ。2024年度の688億円の赤字と比べれば約300億円の改善だが、2期連続の赤字である。日本郵便はこの大きな赤字を郵便局窓口や国際物流事業、不動産事業で補っているにすぎない。
実際の郵便物数は、2001(平成13)年度の262億通をピークに2024年度には126億通に半減している。デンマークの約10分の1以下の減少幅だ。単純に減少幅を計算すると、2001年度からは年間約6億通の減少だったが、ここ1~2年では年間約10億通に減少幅が拡大している。
年始のあいさつで送られる年賀状も、人口減少や年賀状離れの加速により、2003年の約44.6億通から2024年には約10.7億通とピーク時の4分の1まで減った。人口減少やデジタル化の進展が続くため、郵便数が増加に転じる要素はほぼ存在しない。