もはや「郵便」はオワコン? 日本郵便「赤字383億円」の現実――デンマークはもうすぐ事業撤退、今後どうなる?
デンマークが国内郵便事業から撤退を決めた背景には、手紙数の激減と料金高騰がある。日本でも郵便物は2001年の262億通から半減し、赤字が続く。労働集約型の郵便事業の維持は困難を極め、10年後の郵便廃止を見据えた抜本的な議論が求められている。
労働集約型の郵便事業の終焉

総務省の情報通信審議会郵政政策部会(第38回)の資料によると、郵便法では日本郵政公社法施行時(平成15年4月1日)のポスト数約18万本を維持しなければならないと定めている。
山間部を車で走ると、
「こんな場所にもポストがあるのか」
と驚く人も多いだろう。ポストがある限り、定期的に郵便物を回収しに行かなければならない。ほとんど郵便物が投函されない場所に出向く担当者は、たとえ仕事であっても徒労感を感じることが少なくないだろう。
現在のルールでは、冬季の山小屋を除き、どんなに山奥でも人が生活している限り配達しなければならない。郵便物の集配も配達も人が行っている。郵便事業の営業費用の66.4%は人件費だ。
これに集配運送委託費8.3%、窓口の人件費約9%を加えると約83.7%となる。郵便事業は、
「ほぼ人件費の塊」
といっても過言ではない。労働集約型でユニバーサルサービスが必須の郵便事業は、取扱数量の減少がそのまま赤字に直結する構造だ。今後は取扱数量のさらなる減少に加え、賃金上昇も重なる。
人口減少により、そもそも誰が集配を担うのかという根本的な問題もある。労働集約型郵便事業の破綻や終焉は、すでに見えているといってよい。