「技術の日産」は蘇るか? 7500億円赤字とEVシフトの遅れ…鴻海と禁断の蜜月? シャープの二の舞避けられるか
日産自動車は7500億円の巨額赤字を計上し、経営再建の岐路に立たされている。電動車シフトの遅れと過剰投資の影響で、業績は深刻な状況に陥る中、鴻海との資本提携が新たな転機を迎えようとしている。シャープの事例を踏まえ、日産は再び輝くための存在意義を問われている。
赤字7500億円の真因

日産の巨額赤字は、複数の構造的な問題が同時に噴き出した結果だ。電気自動車(EV)シフトの遅れに加え、過剰投資とのバランスが崩れたことが要因となっている。
日産は2010(平成22)年、世界初の量産型EV「リーフ」を発売した。2025年3月時点での世界累計販売台数は39万台を超える。ただし近年は競争が激化し、販売は減少傾向にある。開発投資も頭打ちとなっている。
特に中国市場では失速が目立つ。2024年の販売台数は前年比18.6%減の約65万台。
・テスラ
・BYD
・NIO
といった新興勢に対し、価格・性能の両面で劣勢を強いられている。
生産面でも影響は大きい。2024年の中国生産台数は前年比17.7%減の約61万台に落ち込んだ。東風汽車と共同出資する武漢工場は、2025年度中に生産終了を予定する。稼働開始は2022年だったが、わずか3年での撤退となる。同工場ではエクストレイルやアリアを生産していた。
また、提携先のルノーとのアライアンス依存にも限界が見え始めている。共通化によるコスト削減は、日産のモデルに独自性の欠如をもたらし、ブランド価値を損なう副作用を生んだ。工場の固定費負担も重い。最近の工場稼働率は、中国で10%未満。他地域でも70%にとどまっており、損益分岐点を下回る状況が続いているとみられる。