「引っ越し」は最強の自己変革? 「住む場所」を変えると人間関係が激変する根本理由

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「住む場所を変えることが、人間を変える最も物理的で効果的な方法である」という大前研一氏の主張を軸に、居住地の選択が個人の生活や価値観に与える影響を経済構造から解き明かす。本稿では、都市と地方の違いがどのように人間行動を変容させ、支出や時間配分にどんな変化をもたらすのかを探る。

空間が支配する生活構造

 人間の行動様式の大半は、居住空間とその周辺構造によって決定されている。

・通勤時間
・最寄りの交通機関
・スーパーマーケットの距離
・外食店舗の数
・医療・教育施設へのアクセス

これらすべてが「どこに住んでいるか」によって事実上、固定される。

 東京23区のタワーマンションに住んでいる人と、東北地方の中山間地域に住んでいる人では、同じ年収でも可処分時間の内訳が大きく異なる。前者は生活利便性の高さと引き換えに、周囲の消費圧力と、過密な交通に晒されている。後者は消費機会が限定されている一方で、生活のリズムや支出の裁量が広がる。つまり、居住地の選択は、単なる「住所の違い」ではなく、可処分資源(時間・金・選択肢)の配分方法に直結する変数である。

 たとえば同じ家賃12万円を支払うとして、東京では駅徒歩7分・30平米のワンルームだが、長野では庭付き平屋の3LDKである。この空間差が生み出す生活内容の違いは、収入の多寡以上に、人生の質を左右する。

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