高速道路にある「黄色いアレ」は何? どんな役に立つ? 重大事故を防ぐ立役者、その未来を考える
高速道路の安全対策として欠かせないクッションドラム。衝突時の衝撃吸収性能を実証する一方、飛散や転落といった新たな課題も浮上。進化を続けるその安全性を探ると共に、さらなる改良の必要性を考察する。
新たな緩衝具も登場

近年、クッションドラムの進化版ともいえる製品が登場している。道路作業用安全機材を企画・設計・製作・販売するハナイ(愛知県名古屋市)は、現場のニーズに応じた商品開発に注力している。例えば、現場からの要望であるクッションドラムが衝突時に飛散するのを防ぎたいという課題に応え、クッションドラムに代わる「とまるくん」という製品を開発した。
とまるくんは、道路規制工事などで作業域に突入する車両を安全に停止させる補助装置で、特徴的な大きな爪のある柵の形状をしている。車両の前部がその爪に乗ることで、車両の重量を利用しつつ、制動面に装着された特殊ゴムと路面との摩擦抵抗によって安全に停止する仕組みだ。
クッションドラムが重大事故を防げなかったとしても、それが重大な欠陥を意味するわけではない。しかし、衝突衝撃緩衝具として命を救うためには、より安全な製品が求められる。
論文「車両衝突を受けるクッションドラムの緩衝性能に関する数値解析的研究」(土木学会)によれば、クッションドラムよりも「EPSブロック」と呼ばれる発泡スチロール製緩衝材と波型鋼板、ウレタンを用いた緩衝体のほうが衝突時の平均減速度が小さく、緩衝効果が高いと報告されている。これは、車両の速度をより緩やかに減速させることができるということだ。
新たな緩衝材や形状の研究と検証は今後も続けられるべきである。クッションドラムは今も多くの場所で目にするが、もしよりよい緩衝具が登場すれば、静かにその役目を終えることになるだろう。
それでも、クッションドラムによって救われた命は多く存在することを忘れてはならない。そして、緩衝具に頼らず、安全運転を心がけることが重要だと改めて認識すべきだ。