中国EV急速充電「5分革命」の罠! 1440kW競争が招く高コスト、電力網リスク、バッテリー寿命…持続可能な普及は本当に可能か?
中国のEV市場では、急速充電技術の革新が進み、BYDや吉利汽車、ファーウェイが次々と超急速充電技術を発表している。これにより、充電時間の短縮が進む一方で、インフラへの負荷やバッテリー劣化の懸念も浮上している。EVの利便性と持続可能性のバランスが求められるなか、超急速充電の普及に向けた議論が重要だ。
5分充電の未来と課題

中国の電気自動車(EV)市場では、急速充電技術の開発競争が加速している。比亜迪(BYD)は、量産車として1メガワット(1000kW)の充電出力を実現し、5分の充電で約400km走行できる新技術を発表した。さらに、これを上回る超急速充電技術が近日中に発表される予定だ。吉利汽車の高級EVブランド「ジーカー」は1.2メガワット(1200kW)、中国の通信機器大手ファーウェイは1.44メガワット(1440kW)の超急速充電を実現し、2025年4月に正式発表する計画だ。
EVは充電時間が長く、利便性が低いという課題があった。しかし、超急速充電の普及により、この課題は解消される可能性が高い。これは大きな進展だといえる。しかし、
「5分程度で充電できるEVのニーズ」
は本当にあるのか。また、社会全体として超急速充電の普及が持続可能であるかどうかも疑問が残る。本稿では、急速充電技術の開発競争を、利便性と環境への影響を踏まえ、改めて必要性を検討する。