「周りは外国人ばかり」 京都観光から「日本人客」が逃げ出した? 北野天満宮で42%減という衝撃! 分散の成功か、それとも“京都離れ”加速なのか?
昨秋、訪日外国人観光客で混雑する京都市で、日本人客の動向に変化があった。有名観光地では減少し、周辺部では増加。これは京都市が推進する分散観光の効果なのか。それとも、日本人の“京都離れ”が進んでいるのか。
京都市は「分散観光に一定の効果」

異変の原因はどこにあるのだろうか。高知県高知市の公務員(34歳)が
「毎年の家族旅行から京都市を外した。あまりにも混雑がひどすぎる」
というように、混雑を嫌がって京都観光を敬遠する人もいる。修学旅行先を京都市から他地域へ変更する学校も相次いできた。このため、日本人客の“京都離れ”が始まったと指摘する声がある。
確かに、京都市の観光総合調査によると、訪日客の市内宿泊数が過去最高を更新しているのに、日本人の宿泊数は2010(平成22)年をピークに頭打ち状態。京都市観光協会の主要ホテル調査では、2024年の客室稼働率が78.5%で、前年を5.1ポイント上回ったものの、コロナ禍前の2019年には2.8ポイント及ばない。
しかし、京都府の観光入込客数は2023年段階で2019年を上回っている。増加が目立ったのは、平等院(宇治市)など京都市周辺。混雑が続く京都市の有名観光地を避け、足を延ばしたとも考えられる。
今回の位置情報調査でも、11月2日~12月1日の土休日に市バス、市営地下鉄を利用した乗客数は前年同期を市バスで2.5%、地下鉄で0.3%上回った。京都観光を目指す人の流れは増え続けているわけだ。京都市観光MICE推進室は周辺部での観光客増加について
「分散の取り組みに一定の効果が出た」
と見ている。
周辺部の観光地は叡山電鉄が2両編成で運行しているように輸送力が小さいうえ、狭い道路が少なくない。このまま観光客が増え続ければ、すぐに大混雑となり、観光客の“京都離れ”を本格化させる可能性がある。分散観光に一定の効果があったとしても、京都市は安心していられない。