「周りは外国人ばかり」 京都観光から「日本人客」が逃げ出した? 北野天満宮で42%減という衝撃! 分散の成功か、それとも“京都離れ”加速なのか?

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昨秋、訪日外国人観光客で混雑する京都市で、日本人客の動向に変化があった。有名観光地では減少し、周辺部では増加。これは京都市が推進する分散観光の効果なのか。それとも、日本人の“京都離れ”が進んでいるのか。

昨秋は特に有名観光地に訪日客集中

叡山電鉄で戻ってきた人でいっぱいになった2024年秋の出町柳駅(画像:高田泰)
叡山電鉄で戻ってきた人でいっぱいになった2024年秋の出町柳駅(画像:高田泰)

 調査時期は京都市内を訪れる観光客が最も多くなる秋の紅葉シーズン。2024年秋はコロナ禍の影響が消え、大勢の訪日客が押し寄せたが、紅葉の見ごろが遅れたこともあり、12月半ばになっても観光地で人の波が衰えなかった。

 急激な円安を背景に初めて京都市を訪れた訪日客が増えたとみられる。大阪市の大手旅行代理店は

「初めての訪日客は知名度が高い首都圏と関西に集中し、定番の観光地を行き先に選んでいた」

と振り返る。その結果、京都市では嵐山や清水など有名観光地で訪日客が余計に目立った。

 JR京都駅(下京区)は東京からの新幹線、大阪からの新快速が到着するたびに、大量の訪日客が降り立ち、嵐山へ向かう嵯峨野線ホームや清水方面のバスが出る烏丸口の市バス乗り場に長い列を作った。清水寺に通じる産寧坂(東山区)では、修学旅行の中高生が訪日客に囲まれてはぐれそうになり、慌てる場面を何度も見かけた。

 訪日客が急増して混乱に陥った周辺部もあった。左京区を走る叡山電鉄沿線だ。鞍馬寺や貴船神社、もみじのトンネルなど紅葉名所が多いことから、例年この時期は混雑するが、昨秋の混雑は例年以上。京都市中心部の出発口となる出町柳駅(左京区)は狭いホームを人が埋め尽くし、一部の駅で積み残しが発生した。

 貴船神社周辺では交通渋滞でバスやマイカーが立ち往生する場面があちこちで見られた。周辺の観光案内をする貴船観光会は当時

「今季の渋滞は特にひどい」

と驚いていた。

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