伊賀鉄道、ついに限界!? 15年間で利用客「45%減」 運賃値上げも、自治体が毎年1億円補填の現実…「忍者の街」に迫る鉄道崩壊の危機とは

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三重県伊賀市の伊賀鉄道が運賃を値上げした。慢性的な赤字経営を打開するための措置だが、地域の人口減少と高齢化が続き、先行きは依然として厳しい。

人口減少が鉄道経営を圧迫

活気を失いつつある伊賀市中心部の商店街(画像:高田泰)
活気を失いつつある伊賀市中心部の商店街(画像:高田泰)

 伊賀市は2007(平成19)年、上野市と伊賀町など5町村合併で発足した。中心となる旧上野市は江戸時代、現在の三重県津市に居城を構える津藩の領地で、藩主の藤堂氏が上野城に城代を置いて統治した。城下町は狭い路地が碁盤の目のように整備され、小京都の雰囲気を漂わせる。

 1980年代までは市中心部に学校や金融機関、商店街、公共施設、娯楽施設が集まり、近鉄伊賀線が市民を運ぶ今でいうコンパクトシティを形成していた。上野市駅前の新天地商店街を歩いていた年金生活の男性(76歳)は

「昔は中心部にいればすべての用を済ますことができた。街には活気があった」

と振り返る。

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