EVの整備士が全然足りない! 英国では7年後「2万5000人不足」の現実! 日本も他人事ではない? いったいなぜか
具体的な四つの提案

EV整備士を増やすための具体策について考える。
まず、資格取得制度の改革が必要だ。2021年9月、国土交通省はEV対応の自動車整備士育成を支援する方針を決定し、ガソリン車とは異なる構造や技術を効率的に学べる教材の導入を検討すると発表した。自動運転の推進とEVの普及は密接に関係しており、EV専門の整備士を国家的に増やすことが求められる。EVと自動運転の普及は今後確実に進むと考えられ、長期的な視点でEV専門整備士資格の創設を検討する時期に来ている。専用資格やカリキュラムの整備を進めることで、国際的な競争力を高めることも可能だ。
次に、教育機関と業界の連携強化も欠かせない。EV整備士の育成には、自動車学校や専門学校の支援強化が必要だが、現状では十分に機能しているとは言い難い。例えば、山形県の電動モビリティシステム専門職大学が学生を集められずに募集停止となったニュースは記憶に新しい。本来であれば、大学レベルでEV整備を含む技術者を多数養成するのが望ましいが、現実には難しさもある。それでも、こうした教育機関の存在は不可欠だ。京都コンピュータ学院が関連校として京都自動車専門学校を設立したように、自動運転時代を見据えたEV&DX型の専門学校を支援することは、国力強化の観点からも検討する価値がある。整備事業者の人材を専門学校が受け入れやすいように、トレーニングシステムを政策的に整備することも今後の課題だ。
経済政策的な支援策も効果が期待できる。EV整備士養成にかかる費用への補助金や、養成に取り組む事業者への税制優遇策を導入すれば、育成のハードルを下げることが可能だ。また、地方自治体が専門学校を支援し、地域密着型の研修制度を充実させることも有効だろう。特に、小規模な独立系整備工場向けの訓練設備支援は、EV整備士の裾野を広げるために重要な施策となる。地方政治家がこうした支援策を公約に掲げ、政策議論の俎上に載せることが期待される。
自動車メーカーの取り組みも求められる。製造責任の観点から、メーカーが整備研修プログラムを積極的に展開することは理にかなっている。メーカーは商品企画から設計、製造まで一貫して行ってきた経験があり、整備に関する知見も豊富だ。そのノウハウを活用し、研修プログラムとして提供することで、新たな収益源とする可能性もある。EVの普及には、製造から整備までの包括的な体制整備が不可欠であり、メーカー自らが動くことも重要な役割となる。