地方の「共倒れ」を防げ! JR四国×徳島バス、JR東日本×岩手県北バス…相互直通・共同運行で「地域交通」は救えるか? 鉄道とバスは敵同士ではない
鉄道と路線バスの協働が進むなか、地域公共交通の再生に向けた新たな道が開かれている。JR四国と徳島バスの事例に見る、運行効率の向上や経済的メリットは、今後他地域にも波及する可能性を秘めている。
鉄道とバスの協働改革

JR四国と徳島バスの協働事例は、鉄道と路線バスの協力関係の先駆けとなるものだ。ここでは、
・協働が生まれた背景
・ユーザーからの評価
・公共交通事業者の視点
からの評価を深掘りしていく。
まず、この「協働が生まれた背景」についてだが、鉄道と路線バスの協働を実現したのは、JR四国の牟岐(むぎ)線と並行する徳島バスのケースである。2023年のダイヤ改正で、1日1往復運行されてきたJR四国の特急「むろと」が廃止された。牟岐方面が夜間、徳島方面が朝にそれぞれ運行されていたが、ついに運行が終了した。
この状況を受け、JR四国は特急廃止の決定を下した。その背景には、経営状況の厳しさがある。JR四国の資料「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会II」では、牟岐線の営業係数(100円の収入を得るために必要な費用)が紹介されている。徳島~阿南間では営業係数が183であったが、阿南~牟岐~海部間では
「635」
となり、後者の区間は大きな赤字を抱えている。さらに、輸送密度(1kmあたりの乗客数)が低く、2020年度の阿南~牟岐間では1日に437人しか運んでいなかった。これは新型コロナ前の2019年度比で27.7%減少している。こうした経営面の厳しさから、JR四国と徳島バスが連携して、2022年4月から協働運行を始めることになった。