バスも鉄道も消える!? 自治体統廃合「1700 → 400」で地方はどうなる? 村上大臣の発言で懸念される“移動崩壊”の危機

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村上総務大臣は自治体の統廃合を進めるべきだとし、現行の1700以上の自治体を300~400に集約する持論を提案した。この改革が実現すれば、移動環境や物流網、公共交通に大きな変化が生じ、地方と都市間で新たな格差が生まれる可能性が高い。

広域化で進化する配送網

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 自治体の再編は、住民の生活だけでなく、物の流れにも大きな影響を与える。例えば、これまで独自の物流ネットワークを持っていた地域が広域自治体に吸収されることで、物流網が再編される可能性がある。道の駅や直売所の運営方針が変わり、地元産品の販売ルートが大きく変わることも考えられる。

 また、人口密度の低い地域では、自治体主導の配送支援が必要になる場合がある。すでに一部の地域では、郵便局と民間宅配業者が提携して配送を一本化する試みが行われており、この動きは自治体再編後、全国に広がる可能性がある。

 自治体の大規模な統合により、都市部と地方部の移動環境に格差が広がる恐れがある。都市部では、MaaS(Mobility as a Service)の導入が進み、鉄道・バス・シェアリングサービスが統合された便利な移動環境が整備されるだろう。しかし、地方では移動手段が減少し、高齢者や交通弱者の移動がますます厳しくなる。自治体が広域化することで、行政の目が行き届かない地域が増え、交通手段を自ら確保できない人々が取り残される可能性が高い。

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